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 現代のロック・ポップス界でのサウンド・メイキングにおいて、エフェクターの存在というのはかなり大きな比重を占めているが、ここでは主なエフェクター類を紹介し、その効果を簡単にまとめておく。詳しい理論や活用法などについては、専門書を読んだり自分なりに試行錯誤したりして研究してもらいたい。なお、バンド・スコアでは、特に音として目立つ効果の現れた場合に〈 〉内に表記することがある。例えば〈Distortion〉、〈Wow〉、〈Delay〉、〈Tremolo〉、〈Harmonizer〉などだ。

1. 各種のエフェクター 2. イクイップメント

1. 各種のエフェクター

1. 時間制御系のエフェクター
 発音される時間を遅らせることによって、空間的な広がりを持たせるエフェクターである。いわゆるディレイ系と言えばこれらのエフェクターを指す。

ディレイ(Delay)

 文字どおり、最も基本的な、時間を遅らせるエフェクター。単に時間をずらすだけだが、その時間(ディレイ・タイム)の設定によってはいろいろな効果を生みだすことができる。

リヴァーブ(Reverberation)

 残響のことだが、ディレイが「やまびこ現象」なのに対して、リヴァーブは「余韻」のことを指す。音に空間と厚みを加えることができ、余韻の時間やその種類によって、ホール、ルーム、プレートなどに分類される。

コーラス(Chorus)

 ディレイ・タイムをごくわずかに設定し、なおかつ周期的にディレイ・タイムを変化させて、原音と合成させることによって音のゆらぎを作るエフェクター。

フランジャー(Flanger)

 仕組みとしてはコーラスとほぼ同じだが、遅らせた音を再び入力に戻してやる(フィードバック)ことによって、独特のフランジング効果を作るエフェクターである。ジェット機の上昇・下降音のような響きを出すことができる。

フェイズ・シフター(Phase Shifter)

 通称フェイザー。人工的に位相を変調させ原音とミックスすることによって、独特の「シュワ〜ン」といううねりを生み出すエフェクター。コーラスやフランジャーとはまた違った、個性的な効果が得られる。

●ディレイの概念図


●リヴァーヴの概念図


●コーラスの基本構成


●フランジャーの基本構成

2. 周波数特性制御系のエフェクター
 一言で言えば、ラジカセ等についているトーン・コントロールと同じような働きで、音色の違いを決定する倍音の成分を変化させることのできるエフェクターだ。

パラメトリック・イコライザー(Parametric Equalizer)

 周波数と、その量・特性の鋭さが自由に設定できるイコライザー。応用範囲も広く、細かい音作りが可能である。

グラフィック・イコライザー(Graphic Equalizer)

 変更する周波数のポイントは固定されているが、スライド・ヴォリュームのつまみがグラフ状に並び、文字どおりグラフィカルに設定できるので、視覚的に即判断可能なイコライザー。

ワウ(Wow)

 ピークとなる周波数を変化させることで、高周波を強調して音色を変化させるエフェクター。周波数を変化させるには、フット・ペダルを使う方法(ペダル・ワウ)、入力が加わると自動的に変化する方法(オート・ワウ)とがある。

●パラメトリック・イコライザーのパラメーター


●グラフィック・イコライザーの周波数特性


3. レベル制御系のエフェクター
 音の強弱を操作するエフェクター群。ダイナミクス系などといわれる場合もある。

コンプレッサー(Compressor)

 入力された信号が、ある一定のレベル(スレッショルド・レベル)を超えると、その入力のレベルの大きさに応じて出力信号全体を圧縮するエフェクター。ヴォーカルやオーケストラ楽器などを含む、広い意味での生楽器の場合、いつ音が入ってくるか予測できないが、そういう場合レベルをある程度そろえるといったように使用する。

リミッター(Limiter)

 コンプレッサーと全く同じ働きだが、ピーク入力に対してのみ圧縮するのがリミッターだ。スレッショルド・レベルを超えると、それ以上のレベルの音は制限して決してそれ以上になることはない(ただし、レシオが1:∞の場合)スレッショルド・レベル以上の信号をどんな割合で制限するかというのは、一般にレシオで調整するが、現在では、このレシオが1:10以下のものをコンプレッサーとして指す場合が多く、したがってコンプレッサーの動作とリミッターの動作は、同一の機器で実現できるようになった。

●コンプ/リミッターの動作原理

ノイズ・ゲート(Noise Gate)

 コンプレッサーやリミッターの逆で、スレッショルド・レベル以下になると、増幅率を急激に下げて出力レベルを小さくしてしまうエフェクターだ。例えば、ギターを弾いているときはその音に隠れているノイズも、演奏しないときには非常に気になる場合がある。こういうときスレッショルド・レベルを適切に設定すれば、音楽の信号にはほとんど影響なくノイズだけを取り去ってしまうことができるのである。

エキスパンダー(Expander)

 小さいレベルの信号はより小さく、大きいレベルの信号はより大きくというように、一定の割合で音量の大小の差を伸長するエフェクター。前出のノイズ・ゲートは、この一種の応用である。

ディエッサー(De-esser)

 「サシスセソ」などの子音が高域で歪みやすいためレベルを上げられず、結果的にS/N比が悪くなることがある。これを解決しようとしたもので、コンプレッサーの回路にイコライザーを挿入し、高域だけにかかるコンプとしたもの。イコライザーのセッティングを変えれば、中・低域コンプにもできる。

オート・パン(Auto Panner)

 周期的に音を左右に動かす効果を得るエフェクター。機種によっては、音の移動を途中で止めたりすることのできるものもある。

トレモロ(Tremolo)

 入力信号を電気的に変調して、音量を周期的に変化させるエフェクター。

4. その他のエフェクター
 これまで紹介してきた、いずれの範疇にも属さないタイプのエフェクター群である。

ディストーション、オーヴァー・ドライヴ、ファズ(Distortion, Over Drive, Fuzz)

 いずれも信号波形の上下を切り取ったりして、音を歪ませるエフェクターだ。その歪み方によって、どちらかというとソフトなものがオーヴァー・ドライヴ、激しく歪ませて刺激的なサウンドを得るのがディストーションやファズである。

エキサイター(Exciter)

 比較的新しいエフェクターで、高域の倍音を強調することによって音にメリハリをつけ、前面に出てくるような効果を生むエフェクターである。その音の音色やバランスは変えずに、輪郭をはっきり出して音を明瞭にしたい場合に使う。

ピッチ・シフター(Pitch Shifter)

 入力された信号のピッチ(音の高さ)を任意に変化させ、原音とミックスさせてうねりを出したり、ヴォーカルの音程の狂いを補正したりするのに使われる。一般的にはハーモナイザー(Harmonizer)と呼ばれるが、これはイーブンタイド社の商標である。

オクターヴァー(Octaver)

 音程を1オクターヴもしくは2オクターヴ下げるエフェクター。機種によっては1オクターヴ上が出せるものもある。

2. イクイップメント

 エフェクターではないが、特にギター周辺の小物として、わりと使用頻度の高いものを紹介しておこう。

ボトル・ネック(Bottle Neck)

 スライド・バーともいい、首の長いビンの先を使ってギターを弾いたことに由来している。金属製・ガラス製など、材質や重量によって音色が微妙に変化する。指で押さえて弾くかわりにこのボトル・ネックを指にはめて弦を押さえ、すべらせて音を出す、いわゆる「ボトル・ネック奏法」の時に使用する。

カポタスト(Capotasto)

 ネックに取り付けて、全ての弦を同じフレットで同時に押さえつけて固定する、一種の移調のための器具である。調号が多く常にセーハしてコードを弾かなくてはならないときや、曲のキーを変える時、あるいは、常に高音域の音を必要とする時など、幅広く使える。


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