武満徹のピアノ音楽(音楽書)
叢書ビブリオムジカ
アルテスパブリッシング
3,080円(税込)
それは「紙ピアノ」から始まった──キャリア最初期から円熟期までの作品を検証。技法と美学が描く螺旋形を読み解き、「世界」とのかかわりのなかにその創作のエッセンスをみる。
- 収載内容
-
- 序章
- はじめに
- 考察方法と位置づけ
- 考察対象
- 本書の構成
- 第一章 《遮られない休息》と「愛」の美学
- はし゛めに
- 1|習作をめぐって
- 「新作曲派協会」
- 「前衛」としての民族派
- 三つの習作
- 《妖精の距離》と「移高の限られた旋法」
- シュルレアリスムとの出会い
- 2|楽曲分析──《遮られない休息》第一曲
- 初演譜と出版譜の異同
- 初演譜の分析:響き
- リズムとモティーフ
- 3|「愛」の美学、あるいは「現実」について
- 「メシアンをめぐって」
- 「Olivier Messiaen」
- ルヴェルディのイメージ論
- 「現実に観よ、そして創造せよ」
- 「新しいリアリス゛ム」
- 4|「ミュジック・コンクレート」について
- 「愛」から「音」へ
- 「物質」と「素材」
- 第二章 《ヒ゜アノ・ディスタンス》と「音」の美学
- はじめに
- 1|「音」の美学の展開
- 「音の河」について
- 「西洋と東洋」、「論理と非合理」
- 創造としての「伝統」
- 能とヴェーベルン
- 2|楽曲分析──《遮られない休息》第二曲
- 音列の操作による構成
- セリーの規則の拡張
- 3|楽曲分析──《ヒ゜アノ・ディスタンス》
- 問題の所在
- 連桁と小節にみる数的な操作による構成
- 「不確定性」に関わる要素の性質と配置
- 4|「ケージ・ショック」前夜、あるいは「枠」と「出来事」について
- 「一柳慧キートン説」
- ジョン・ケージをめく゛る言説
- 補論《ピアニストのためのコロナ》、およひ゛「一音」の美学
- はし゛めに
- 補論1|《ピアニストのためのコロナ》
- 五枚の楽譜とその指示書
- ジョン・ケージとの比較
- 「パズル」と「おもちゃ」
- 「記号的匿名の世界」に向かって
- 補論2|「音」から「一音」へ、「沈黙」と測りあえるほどに深く
- 邦楽器について
- 第三章 《フォー・アウェイ》と「関係」の美学
- はし゛めに
- 1|大阪万博
- テクノロジーによる「新しい芸術」という夢
- 《YEARS OF EAR〈What is music?〉》
- 2|楽曲分析──《フォー・アウェイ》
- ピッチクラス・セット理論と「トーナルの問題」
- 固定されたピッチ
- 静止点の響き
- 運動の可塑性
- 3|「関係」の美学、あるいは「音階」について
- 「樹の鏡」とその崩壊
- 「草原の鏡」の差異
- 「一音」と「関係」、近藤譲「線の音楽」
- 「関係」への欲求としての祈り
- 「作曲家と演奏家と聴衆」
- 第四章 《閉じた眼》と「夢」の美学
- はじめに
- 1|響きとかたち
- 問題の所在
- 分析の指針
- 2|楽曲分析──《閉じた眼》
- 記譜上の特徴
- モティーフの操作
- 要素の減少
- 不規則な継起と流動的な音響
- 連結と堆積
- 3|《閉し゛た眼》における時間の多様性
- 響きと現在時の焦点化
- 反復と対照性
- 《閉じた眼》の時間
- 4|「夢」の美学、あるいは「映画的記憶」について
- 「夢」のかたち
- 二つの「夢の引用」
- 「映画的」という誤謬?
- 第五章 《雨の樹 素描》と「水」の美学
- はじめに
- 1|イメージと想像力
- バシュラールのイメージ論
- イメージからの出発
- 2|楽曲分析──《雨の樹 素描》
- ミクロ構造のシンメトリー
- マクロ構造とアルバン・ベルク
- 3|「水」の美学、あるいは武満徹の霊性
- 「水」の神秘的な性質
- 「自然」と「宗教」、再び「Mirror」について
- スピリチュアリティの興隆と『洪水はわが魂に及び』
- 4|「雨の木(レイン・ツリー)」を「素描(スケッチ)」する
- メディウムの横断
- 「雨の木(レイン・ツリー)」のイメージ
- 「宇宙発生論的樹木」
- 結論
- あとがき
- 文献一覧
- 索引
1 序章
2 はじめに
3 考察方法と位置づけ
4 考察対象
5 本書の構成
6 第一章 《遮られない休息》と「愛」の美学
7 はし゛めに
8 1|習作をめぐって
9 「新作曲派協会」
10 「前衛」としての民族派
11 三つの習作
12 《妖精の距離》と「移高の限られた旋法」
13 シュルレアリスムとの出会い
14 2|楽曲分析──《遮られない休息》第一曲
15 初演譜と出版譜の異同
16 初演譜の分析:響き
17 リズムとモティーフ
18 3|「愛」の美学、あるいは「現実」について
19 「メシアンをめぐって」
20 「Olivier Messiaen」
21 ルヴェルディのイメージ論
22 「現実に観よ、そして創造せよ」
23 「新しいリアリス゛ム」
24 4|「ミュジック・コンクレート」について
25 「愛」から「音」へ
26 「物質」と「素材」
27 第二章 《ヒ゜アノ・ディスタンス》と「音」の美学
28 はじめに
29 1|「音」の美学の展開
30 「音の河」について
31 「西洋と東洋」、「論理と非合理」
32 創造としての「伝統」
33 能とヴェーベルン
34 2|楽曲分析──《遮られない休息》第二曲
35 音列の操作による構成
36 セリーの規則の拡張
37 3|楽曲分析──《ヒ゜アノ・ディスタンス》
38 問題の所在
39 連桁と小節にみる数的な操作による構成
40 「不確定性」に関わる要素の性質と配置
41 4|「ケージ・ショック」前夜、あるいは「枠」と「出来事」について
42 「一柳慧キートン説」
43 ジョン・ケージをめく゛る言説
44 補論《ピアニストのためのコロナ》、およひ゛「一音」の美学
45 はし゛めに
46 補論1|《ピアニストのためのコロナ》
47 五枚の楽譜とその指示書
48 ジョン・ケージとの比較
49 「パズル」と「おもちゃ」
50 「記号的匿名の世界」に向かって
51 補論2|「音」から「一音」へ、「沈黙」と測りあえるほどに深く
52 邦楽器について
53 第三章 《フォー・アウェイ》と「関係」の美学
54 はし゛めに
55 1|大阪万博
56 テクノロジーによる「新しい芸術」という夢
57 《YEARS OF EAR〈What is music?〉》
58 2|楽曲分析──《フォー・アウェイ》
59 ピッチクラス・セット理論と「トーナルの問題」
60 固定されたピッチ
61 静止点の響き
62 運動の可塑性
63 3|「関係」の美学、あるいは「音階」について
64 「樹の鏡」とその崩壊
65 「草原の鏡」の差異
66 「一音」と「関係」、近藤譲「線の音楽」
67 「関係」への欲求としての祈り
68 「作曲家と演奏家と聴衆」
69 第四章 《閉じた眼》と「夢」の美学
70 はじめに
71 1|響きとかたち
72 問題の所在
73 分析の指針
74 2|楽曲分析──《閉じた眼》
75 記譜上の特徴
76 モティーフの操作
77 要素の減少
78 不規則な継起と流動的な音響
79 連結と堆積
80 3|《閉し゛た眼》における時間の多様性
81 響きと現在時の焦点化
82 反復と対照性
83 《閉じた眼》の時間
84 4|「夢」の美学、あるいは「映画的記憶」について
85 「夢」のかたち
86 二つの「夢の引用」
87 「映画的」という誤謬?
88 第五章 《雨の樹 素描》と「水」の美学
89 はじめに
90 1|イメージと想像力
91 バシュラールのイメージ論
92 イメージからの出発
93 2|楽曲分析──《雨の樹 素描》
94 ミクロ構造のシンメトリー
95 マクロ構造とアルバン・ベルク
96 3|「水」の美学、あるいは武満徹の霊性
97 「水」の神秘的な性質
98 「自然」と「宗教」、再び「Mirror」について
99 スピリチュアリティの興隆と『洪水はわが魂に及び』
100 4|「雨の木(レイン・ツリー)」を「素描(スケッチ)」する
101 メディウムの横断
102 「雨の木(レイン・ツリー)」のイメージ
103 「宇宙発生論的樹木」
104 結論
105 あとがき
106 文献一覧
107 索引
- 商品詳細
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商品説明 日本の20世紀音楽を代表する作曲家・武満徹(1930?1996)。日本の伝統楽器を大きくフィーチャーした《ノヴェンバー・ステップス》で広く知られる不世出の作曲家は、“もっとも西洋的な楽器"であるピアノを愛し、キャリアの初期から晩年まで、この楽器のために作曲した。楽譜を緻密に分析するだけでなく、名文家として知られる武満のテクストを精緻に読解することにより、その技法と美学が織りなす螺旋形を、戦後日本固有のコンテクストのなかに描きだす。 商品番号 F0212422 ジャンル 書籍・辞典 サイズ A5 ページ数 376 著者 原塁 初版日 2022年03月30日 ISBNコード 9784865592535